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大阪地方裁判所 昭和45年(わ)3668号 判決 1971年11月17日

本籍

大阪市城東区北中浜町三丁目八三番地

住居

兵庫県芦屋市三条町八〇番地 三条マンション三〇二号

医師

大道学

昭和三年三月二八日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき当裁判所は検察官田辺信好出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を罰金一、〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪市城東区北中浜町三丁目四三番地において、大道病院を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、

第一、 昭和四三年分の所得金額が三八、九九七、七七二円、これに対する所得税額が一五、〇八二、四〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上現金売上の一部を除外し、架空経費を計上する等の不正行為により、右所得金額中一六、四二六、二三六円を秘匿したうえ、昭和四四年三月一五日大阪市城東区所在城東税務署において、同署長に対し、同年分の所得金額が二二、五七一、五三六円、これに対する所得税額が四、八〇二、三〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、よつて同年分の所得税一〇、二八〇、一〇〇円を免れ、

第二、 昭和四四年分の所得金額が五四、一二一、六八六円、これに対する所得税額が二三、三九五、一〇〇円であるのにもかかわらず、前同様の不正行為により、右所得金額中二一、一三五、六八六円を秘匿したうえ、昭和四五年三月一五日前記城東税務署において、同署長に対し、同年分の所得金額が三二、九八六、〇〇〇円、これに対する所得税額が九、二三三、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、よつて同年分の所得税一四、一六一、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠)

判示全事実につき

一、 収税官吏の安藤雅子、下川路厚蔵、大道喜美子、小倉一誠に対する各質問てん末書

一、 安藤雅子作成の供述書三通

一、 同人の検察官に対する供述調書

一、 下川路厚蔵の検察官に対する供述調書

一、 収税官吏斉藤光雄作成の査察官調査書類三通

一、 収税官吏柴田一郎作成の査察官調査書類

一、 収税官吏の被告人に対する質問てん末書二通

一、 被告人作成の上申書(二通)および確認書

一、 被告人の検察官に対する供述調書

一、 領置してある固定資産台帳一冊(昭和四六年押第四〇〇号の三)、メモ帳(診療収入記載)四冊(同号の一〇)

判示第一の事実につき

一、 城東税務署長中佐藤政道認証の昭和四三年度分所得税確定申告書謄本および同年度分所得税修正申告書謄本

一、 下川路厚蔵作成の供述書二通

一、 領置してある昭和四三年度分総勘定元帳一綴(前同押号の一)、昭和四三年六月以降一二月までの給料支払明細書七綴(同号の四)、昭和四二年度分給料支払帳三冊(同号の五)、昭和四三年度所得税源泉徴収簿一綴(同号の七)、入院カード七綴(同号の八)、定期預金整理ノート一綴(同号の一一)昭和四三年交通事故分カルテ一綴(同号の一三)

判示第二の事実につき

一、 城東税務署長中佐藤政道認証の昭和四四年度分所得税確定申告書謄本

一、 領置してある昭和四四年度分総勘定元帳一綴(前同押号の二)、昭和四四年度分給料支払明細書一二綴(同号の一四)、昭和四四年度分所得税源泉徴収簿一綴(同号の六)、無題ノート(診療収入記載)二冊(同号の九)、日計表、関係伝票一綴(同号の一二)

(法令の適用)

被告人の判示各行為は、それぞれ所得税法二三八条一項に該当するところ、所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金額を合算した金額の範囲内で被告人を罰金一〇〇〇万円に処し、被告人が右罰金を完納することができないときは、同法一八条により金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとする。

(裁判官 梶田英雄)

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